【京都市左京区】「たばこ王」が建てた迎賓館 「長楽館」

京都市東山区にある「長楽館」（ちょうらくかん）は、明治時代の実業家・村井吉兵衛が1909年（明治42年）に建てた別邸です。

たばこ王が建てた迎賓館

村井吉兵衛は京都に生まれ、日本で最初に紙巻きタバコを製造販売し、財を成して「たばこ王」と呼ばれました。
やがて、たばこが国家による専売制に切り替えられると、莫大な保証金を手にします。その資金を元手に、銀行をはじめとした様々な事業を進め、財閥を形成しました。

村井吉兵衛の旧京都別邸である「長楽館」は、ジェームズ・ガーディナー設計による洋風建築。京都市の指定有形文化財です。

外観はルネサンス風、内部は応接室はロココ、⾷堂はネオ・クラシック、ステンドグラスや窓はアール・ヌーヴォーなど、様々な建築様式を取り入れられています。

迎賓館として国内外の賓客の接待に使われ、伊藤博文や山縣有朋、大隈重信といった明治の大物政治家たちも訪れました。
ちなみに「長楽館」という名称は伊藤博文によって名付けられたそうです。

重厚な玄関。
現在はカフェ・レストラン・ショップのほか、ウエディングやオーベルジュホテルとして利用されており、自分のような貧乏人の庶民には少し入りづらい雰囲気です。

普段は非公開の「御成の間」。バカラ社のシャンデリア、折上格天井、金地の襖絵など、東洋と西洋が融合した空間で、不思議な趣きがあります。

「御成の間」は数年に1度、期間限定で特別公開されています。

長楽館

住所／京都市東山区円山町604
電話／075-561-0001
Webサイト／https://www.chourakukan.co.jp/