【京都市上京区】紫式部が『源氏物語』を執筆したとされる邸宅跡「廬山寺」

2024年の大河ドラマ『光る君へ』は紫式部が主人公。京都には紫式部と『源氏物語』にゆかりのある地が多く存在します。京都市上京区の廬山寺（ろざんじ）がある辺りは、かつて紫式部の邸宅があったとされています。

廬山寺は元三大師（がんざんだいし）良源（りょうげん）が創建した天台宗の寺院です。
この地は紫式部のひいおじいさんにあたる藤原兼輔（ふじわらのかねすけ）の邸宅があり、紫式部もこの辺りに住んでいたと伝えられています。

藤原兼輔は三十六歌仙のひとりでもある著名な歌人で、「中納言兼輔」として小倉百人一首にも選ばれています。
邸宅は鴨川の西の堤防に接した広大なもので、「堤邸」と呼ばれていました。このことから兼輔は「堤中納言」とも呼ばれます。

紫式部はこの邸宅で一生の大部分を過ごしたとされ、夫である藤原宣孝（ふじわらののぶたか）との結婚生活をここで送り、源氏物語を執筆したと考えられています。

廬山寺はもともとは別の場所にありましたが、正親町天皇の勅命により、1573年に現在の場所に移転しました。

1965年（昭和40年）、歴史学者の角田文衞（つのだぶんえい）氏によって考証が行われます。その結果、境内に紫式部の邸宅跡であることを示す顕彰碑が建てられました。

顕彰碑の周りには紫の桔梗が咲く「源氏庭」が整備されています。
桔梗の花の時期は6月末〜9月初め頃ですので、この時期に訪れるのがおすすめです。

廬山寺の近くには、藤原道長が建立し、出家後に住んだという「法成寺」（ほうじょうじ）があり、跡地に碑が建てられているそうですが、見つけることができませんでした。どこにあったのだろう…

廬山寺 

住所／京都市上京区北之辺町397
電話番号／075-231-0355
Webサイト／https://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/