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【京都市北区】京都でもっとも古い神社のひとつにして世界遺産「上賀茂神社」

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上賀茂神社は正式名称を「賀茂別雷神社」(かもわけいかづちじんじゃ)といい、京都でももっとも古い歴史を持つ神社のひとつです。

賀茂別雷大神を御祭神とし、国宝2棟、重要文化財41棟を含む広大な敷地を持ち、「古都京都の文化財」のひとつとしてユネスコの世界遺産にも登録されています。

上賀茂神社は、かつてこの地を支配していた賀茂氏の氏神を祀る神社として、下鴨神社とともに賀茂神社(賀茂社)と総称されます。
賀茂神社の祭事として有名なのが「葵祭」(賀茂祭)で、祇園祭、時代祭とともに「京都三大祭」とされています。

紫式部『源氏物語』と上賀茂神社

上賀茂神社は紫式部『源氏物語』にも登場し、紫式部自身も参拝したといわれています。

源氏物語に上賀茂神社が登場するのは、全54帖からなる源氏物語の第9帖「葵」です。
主人公・光源氏の正室である「葵の上」(あおいのうえ)は、葵祭の見物に訪れます。そこでやはり見物に来ていた源氏の愛人である「六条御息所」(ろくじょうのみやすどころ)と牛車の場所の取り合いになってしまいました。

この「車争い」の騒動によって六条御息所の牛車は壊されてしまい、強引に立ち退かされてしまいます。これを屈辱に六条御息所は葵の上を深く恨むようになりました。

やがて恨みをつのらせた六条御息所は生き霊となって葵の上にとりつきます。
身重だった葵の上は病になり、男子(のちの夕霧)を生んですぐに亡くなってしまいました。

源氏は葵の上を失った喪失感を埋めるため、のちに最愛の女性となる「紫の上」(むらさきのうえ)と半ば強引に婚姻を結びます。

この騒動がなければ源氏が紫の君を妻にすることは(おそらく)なかったでしょう。そういう意味では序盤の重要な場面の舞台といえます。

紫式部と片岡社

上賀茂神社(賀茂別雷神社)には、境内に24社の摂末社があります。そのうち第1摂社に定められているのが片山御子神社、通称「片岡社」です。

片岡社は上賀茂神社の祭神である賀茂別雷大神の母神である賀茂玉依姫命をまつります。賀茂玉依姫命は古くから縁結び、子授け、安産の神様として女性から厚い信仰を受けてきました。

楼門と片岡社の間にあるこの橋は「片岡橋」といい、重要文化財です。

第1摂社だけあって、楼門のすぐそばにあります。

紫式部も片岡社に参拝し、恋の成就を願ったと伝えられており、そのときに詠まれた

「ほととぎす 声まつほどは片岡の もりのしずくに たちやぬまれし」

という歌が新古今和歌集に収められています。

片岡社の縁結び絵馬にはこの歌にちなみ、紫式部とほととぎすがデザインされています。

この「ほととぎす」というのは紫式部が思いを寄せる男性のこと。「あなたが現れるまで、いつまでも待っている」という恋心を読んだ歌だと解釈されます。

紫式部が思いを寄せる男性とは、いったい誰だったのでしょうか。大河ドラマ『光る君へ』なら藤原道長ということになりますが、想像すると興味がつきません。

『光る君へ』の主人公・まひろ(紫式部)を演じる吉高由里子さんと藤原道長役の柄本佑さんもドラマの放送に合わせてお参りしたそうです。

上賀茂神社

住所/京都市北区上賀茂本山339
電話/075-781-0011
Webサイト/https://www.kamigamojinja.jp/