【京都市中京区】伊藤若冲の出身地でもある「京の台所」錦市場の垂れ幕が新しくなりました
「京の台所」として親しまれる「錦市場」。西側の入り口に江戸時代の絵師・伊藤若冲の絵をモチーフにした大きな垂れ幕がかかっているのをご存知ですか?この垂れ幕が2023年11月からリニューアルされました。
伊藤若冲とは
伊藤若冲は江戸時代中期に活躍した絵師。超絶技巧による写実的な描写と色鮮やかな花鳥画で知られます。
明治以降は忘れられた存在でしたが、近年再評価され、平成以降になって人気が爆発したという珍しい画家です。
伊藤若冲と錦市場の関係
錦市場になぜ伊藤若冲の垂れ幕がかかっているかというと、伊藤若冲が錦市場の青物問屋(八百屋)の出身だからなんです。
錦市場の西側入り口にはこのように生家跡であることを示す資料が掲げられています。
錦市場の青物問屋「桝源(ますげん)」の長男として生まれた若冲は、幼少期から優れた画才を発揮。狩野派・琳派を学びますが、やがて独自の画風を生み出します。
1度は家業を継ぎますが、40歳になると家督を弟に譲って隠居し、絵師として自立。多くの名作を生み出しました。
垂れ幕がリニューアル
錦市場の西側入り口には以前から若冲の絵をモチーフにした大きな垂れ幕が掲げられていましたが、痛みが目立ってきため、新調されたのでした。
新しい垂れ幕は、縦3メートル30センチ、横およそ2メートル70センチ。京都工芸繊維大学の中野仁人教授の研究室がデザインしました。
若冲を象徴する色鮮やかな鶏を大きく配置し、中央に「錦市場」の文字を入れた力強いデザイン。コントラストが高くなり、遠くからでも目立つようになりました。
もともとは地元の買い物客や割烹、料亭、旅館などが食材を仕入れるための市場だった錦市場ですが、この数年で観光客に対応した通りになりました。
市場は東西約400メートル。市場内にも若冲の絵をモチーフにした垂れ幕がかかっています。
京都の文化が感じられて、この垂れ幕を見ながら歩くのも楽しい。
そういえば、いま京都では福田美術館と嵯峨嵐山文華館で「ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲 お!北斎 わぁ!芦雪」、相国寺承天閣美術館で「若冲と応挙」が開催中。どちらも会期残りわずかです。錦市場から美術館へと、若冲をツアーするのもいいですね。
錦市場
住所/京都市中京区西大文字町609番地
電話/075-211-3882
Webサイト/https://www.kyoto-nishiki.or.jp/